モルトとは大麦麦芽のことです。発芽させた大麦をピートで
スモーク乾燥して加水し、糖化発酵を経てもろみ酒(= ウォッシュ)を造ります。さらに単式蒸留器(ポット・ステイル)で
2回釜出しした素原酒(ニュー・ポット)をオーク樽にて3年以上熟成。モルト原酒が完成します。
シングル・モルト・ウイスキーは単一の蒸留所で造られた
原酒のみを使用したウイスキーのことです。
平均的なおいしさや飲みやすさを目指すバランス指向のブレンデッド・ウイスキーより特定の個性を持つ傾向が
強くなります。
蒸留所の数はスコットランドに125あります。気候、土壌、大麦の種類、
水、蒸留器の性格、ピートの傾向、樽の種類と熟成法、生産者の意識など、多くの決定要因が複雑怪奇かつ有機的に組み合わさって、
蒸留所固有の味が造り出されます。
ピートとは各地に自生するヒースなどの灌木類が何百年も
堆積した末にできる泥炭のことで、麦芽を乾燥させる時にスモーク材として使用するスコットランド特有の
香味要因です。
島モルトの多くは、海草類を多く含んだピートによる特異な潮臭さ(ヨード臭)が加わり、個性(クセ)となります。(使用する水にもピート成分が
溶け込んでいる場合もあり、その影響はますます強まります。)
樽は主にウイスキー古樽、シェリー古樽(フルーティさの要因)、
バーボン古樽(内側がこがしてあり、ピート臭とは別のスモーキーさを持つ)などが使われます。
熟成香とは主に樽の持つ酸とアルコールの雑味成分がいい関係になると
生じる、エステル香といわれる好ましい香りの事。しかし、この魔法にはピーク時期があり、10〜12年が良いと
されていますが、もっとピークの遅い酒質も多く、30年もの熟成に耐えるヘビィな物も珍しくありません。
ギネスブック認定の一番高価なウイスキー、スプリングバンクの1919年度蒸留、1969年ボトリングの50年物などは特別な存在です。
香りこそがシングルモルトの命と言えます。駄香良味の
モルトはありません。ブレンド職人が香りだけで作業を進め、一番最後に初めて口に入れて味を確認する事からも、
その香りを十分に楽しんでこそのシングルモルトと言えるかもしれません。
トワイス・アップという飲み方(同量までの常温の水だけで割る)が
一番モルトの良さを引き出すと言われるのは、ブレンダーがこの方法でティスティングすることが多いからだと思います。
ロックに関しては、氷を入れることで香りの発散が弱まり、油分が分離して味をそこなうことを嫌う人が多いのも
うなずける話です。しかし、スコットランドほど寒くない日本では、冷たい水の持つ清涼感は捨てがたく、ロックや
ミスト(クラッシュアイスにフロートする)で飲みたい時もありますよね。好きな飲み方が一番おいしい飲み方です。 |
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スペイサイド
洗練された華やかなエリア
グランガモア 12年
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40度 |
\900 |
オールド・パーのキー・モルト。他にない程繊細で複雑ながら深く豊かな香りが特徴。華やかで厚いコクを持ち、
飲み口が柔らか。スペイサイドの良点を集めたようなお酒です。すごく飲みやすい。
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ザ・マッカラン 12年 |
40度 |
\1,000 |
100%シェリー樽熟成にこだわったがゆえの花の様でフルーティーな甘い風味。
「モルト界のロールス・ロイス」と讃えられるおなじみの名酒です。
安定感と風格を感じる存在。
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グレンフィディック 18年
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40度 |
\1,200 |
芳醇な香りでフィディックの実力と個性を見せつける長期熟成品。
特徴的な洋ナシを思わせるフルーティさと、バーボン樽由来のスモーキーさが
絶妙におりなす厚い甘味と洗練されたコク。メローでまろやかな飲み口です。
若いフィディックに失望したことのある人に・・・
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ハイランド
力強く骨太なエリア
トーマティン 10年 |
43度
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\1,200 |
北方の厳しい風土を感じさせる、ドライでスパルタンな味わい。ピート香よりも、スパイシーな麦芽(モルト)の風味が突出するかのような力強さ。スペイサイドともアイラ島とも異なる本筋モルトの味です。
頑固なスコットランド人のイメージ。
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グレンモーレンジ 18年
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43度 |
\1,600 |
ピート処理が弱めで、ナチュラルかつストレートな風味を持っています。
シングルモルトとしては健全なバランスに優れていてスムーズ。
しかしナッツやバターの様な味わいのキャラクターも持ち、いたずらに個性を
追い求めないスコットランドでは、一番売れている銘柄と言われています。
大人の味。
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アイランド
ピート強め。個性派のエリア
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45.8度 |
\1,000 |
「舌の上で爆発する・・・」と表現される、強力なインパクトを持つ島モルト。
ピーティな潮の風味、濃厚でフルーティな熟成香。コク強く粘度の高い酒質は
水割り(トワイス・アップ)などでもまったくヘコタレません。
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アイラ島
クセ者ぞろい。好き嫌いが分かれるエリア。
ラフロイグ 10年
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40度 |
\1,000 |
"アイラ島のクセ者三兄弟"の末っ子ながら、いきなりつかまってしまった人が多く、直撃してくる潮臭いピート香の
心地よさ(?)には、もうあらがえません。そのあからさまな個性ゆえ、初めてモルトを試す人にこそお勧めです。
意外な事にチャールズ皇太子の愛飲酒とか・・・。
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アードベック 10年
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46度 |
\1,200 |
三兄弟の次男は、一枚上手のやっかい者です。
強力なヨード臭をフルーティーな熟成香が包み込み、なんともいえぬ引きこまれる様なセクシーさ。半端ない潮臭さと
粗野な振る舞いながら、不思議な完成度を持ち、好き嫌いを問わず「記憶にきざまれる銘酒」なのは確かです。
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ボウモア 17年
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43度 |
\1,200 |
三兄弟にはさまれて"アイラの女王"です。この島共通のクセはしっかり放ちつつも、やさしくたおやかに誘いこみます。
華やかで甘美なシェリー香と、芳醇で豪壮なコクを合わせ持つ、アイラ島の案内人です。
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ラガブーリン 16年 |
43度 |
\1,400 |
全モルト中、最もヘビーで強烈な味わいと言われ、"巨人"とも"怪物"とも呼ばれるアイラ島の長男です。
善悪を合わせ持つ古代の神のような、あやうく、きわどく、はかないバランス。この酒ならではの
突出した個性を感じます。
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